乳児が言葉をいつ頃はなし始めるのか?
言葉の発達において、読み聞かせをした方がいいのか?
そもそも、読み聞かせにエビデンスがあるのか?
そのような疑問はございませんか。
私自身、最近の出来事がきっかけで同じような疑問を持ちました。
最近、娘がダーダ(dad: お父さん)と言えるようになりましたが、偶然ダーダと言ったのではないかという疑いがあるからです…
2週間ほど前から、”マ〜マ”は言えるようになっていましたが、しかしいずれにせよ、パパとママを認識して言っているのかは疑問です…
少なからず、私の娘が私をお父さんと認識して言っていないのは否めません。
そこで、子供が実際に物事を文字や言葉と一緒に認識できるようになるメカニズムについて調べてみました。
- キンチの理論について
- 「おと」や「かたち」を意識した読み聞かせの実践
- 読み聞かせのモチベーションの向上
- 子とパパママの時間の充実
- まとめ
キンチの理論について
人が物事を認知するメカニズムについて説明した理論に、キンチの読解認識理論を応用した研究があります。
キンチの理論とは、人間が読んで得た情報をどう認知しているのか、を説明している理論です。
①乳児期→文字のおとやカタチを見たり聞いたりしてインプットする段階
②幼児期→文字を認識する段階
③幼児期以降→その文字をイメージや感覚、経験と結びける段階
【参考論文】常深浩平、認知過程から考える乳幼児期への読み聞かせ、いわき短期大学研究紀要(2016年)
そして、①、②、③の段階を経て、大人が小説などを読んで本の物語をイメージできるように、幼児期以降もそのレベルに達していくということです。
もう少し砕いて分かりやすく説明すると、
①乳児期→文字のおとやカタチを見たり聞いたりしてインプットする段階
- 「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」など文字のおと、かたちに慣れ親しむ段階
②幼児期→ 文字を認識する段階
- 「り」、「ん」、「ご」と、それぞれの文字が認識できる段階。
③幼児期以降→その文字をイメージや感覚、経験と結びける段階
- 「リ」「ん」「ご」を、果物のりんごとして、色や、匂い、味、イメージを合わせて認識できるようになる段階。
ざっくりと本論文のポイントを紹介しましたが、この論文を読んで以下のことに活かせそうです。
「おと」や「かたち」を意識した読み聞かせの実践
パパやママが ”おと” や ”かたち” に意識して、文字に指をさしたり、音については少し大袈裟に強調しながら文字を読むなどの実践ができるのではないでしょうか。
本文では特に、どのように読み聞かせを行うかは述べられていませんが、指差しで赤ちゃんの意識を文字に集め、「おと」を意識させるために大袈裟に発音して、赤ちゃんの気を引くことができるのではないでしょうか。
その場合、赤ちゃんの反応を見ながら読み聞かせをススメていくことも確認のために重要になりますね。
読み聞かせのモチベーションの向上
読み聞かせの根拠を理解せずに行っていると、本当に意味があるのか、疑問を持つパパやママは多いのではないでしょうか。
私自身、まさしく「読み聞かせ」というような文字が少なく、絵が多い絵本を読み聞かせしていました。そして、私自身飽きてしまい、そのような絵本は子どもにとっても学習にならないのではないかと感じていたからです。
例えば、「ぽんぽん」や「もこもこ」の繰り返しフレーズが多い絵本よりも、よりストーリー性の高い絵本を読んであげようか悩んだりしました。
乳児期の読み聞かせには、文字の ”カタチ” や ”おと” に親しませることに重点を置いて、自信を持って継続していきましょう。
子とパパママの時間の充実
より子どもにアプローチした読み聞かせによって、子どももパパママも一緒に時間共有することで、子どもとの愛着の構築に役立つのではないでしょうか。
理由は、子どもの様子を伺いながら発達段階に合った読み聞かせを実践していくことで、自然と子どもとのアイコンタクトや、コミュニケーションが生まれるからです。
例えば、乳児や幼児の様子や目、反応を見ながら読み聞かせすることで、子供にもその誠意が伝わるはずです。
なので、そのような取り組みが子どもと通じ合う空間を作り出し、愛着の形成に繋がるのです。
まとめ
読み聞かせの実践がインターネット、保育園、小学校などで流行っていますが、科学的根拠なしの普及啓発ぶりに、少し違和感がありました。
今回、乳児期、幼児期、幼児期以降の言葉の認知における発達段階について調べてみて、統計学的に効果検証が難しい分野であること、そして、上記のキンチの理論をサポートすべく効果検証がより必要であることについて理解できました。
明日から引き続き読み聞かせを娘に行っていこうと思います。
私の娘から、疑いもない自信満々のダーダが早く聞ける日が来ることを願っています…