普段の育児を通して、赤ちゃんの安全や気持ちを配慮した抱っこの仕方についてご紹介します。
私が初めて分娩室で我が子(女の子)を抱っこした時、命の重みをズシリと感じ、健康で、元気に生まれてきてくれたことに心の底から感動したことを今でも覚えています。
おそらく一生忘れられない感触として記憶に残ることでしょう。それくらい、初めての抱っこというのは感動的です。
しかし、赤ちゃんもすくすくと1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月…と成長し、体重も増加していくと、抱っこするのも一苦労で、体力的にもハードになってきます。
また、抱っこすることに「慣れ」を感じてしまうい、赤ちゃんの気持ちや安全面を疎かにしてしまいます。
そこで、本記事では、産婦人科での体験レッスンやYoutube、書籍等で赤ちゃんの抱っこの仕方について勉強したノウハウや、実際に私が経験した事例から、赤ちゃんの安全や気持ちを配慮した抱っこする際の留意点についてご共有いたします。
乳児の色々な抱きかたが書籍やYouTube等でご紹介されておりますが、本記事では赤ちゃんを抱っこする際に、どのようなことに留意する必要があるのかを確認していきます。
1. 抱っこしながら赤ちゃんの表情を観察する
基本中の基本で、赤ちゃんの表情から顔色は良好か、苦しそうにしていないか、不快感を感じているような素振りはないかを確認します。
赤ちゃんが生まれてから約生後3ヶ月頃まで、基本的に肘に赤ちゃんの頭部をおいて仰向けに寝かせる横抱きや、赤ちゃんを縦にして身体をしっかりと胸に密着させる縦抱き、が主流です。
その他にも、様々な抱き方がありますが、ここで一番大事なことは、赤ちゃんの表情をしっかりと確認することです。
赤ちゃんは言葉を話せない分、泣くことや、手足をバタバタさせる事で意思表示をします。生後まもなくても嬉しい時には、笑顔を見せてくれる時もあります。
また、乳児期でのパパと赤ちゃんとの関わりは限定的ですので、赤ちゃんの表情を読むことは、自然とアタッチメント形成にも繋がります。
赤ちゃんとしっかりとアイ・コンタクトをとって、赤ちゃんの表情を観察し、顔色は良好か、苦しそうにしていないか、不快感を感じているような素振りはないか、常に観察することが重要です。
2. 抱っこしながら赤ちゃんに声かけをする
赤ちゃんは、母親のお腹の中にいる時から、40週の期間一番身近に過ごしてきた人たちの声を聞き分けることができるという科学的根拠が示されています。
特にお母さんやお父さんの声はしっかりと聞き分けることができるそうです。
ハーバード大学で行われた検証実験では、赤ちゃんの頭部に脳波を観察できるヘルメット(機器)を装着して、母親の声で赤ちゃんの名前を呼ぶ声が録音されたオーディオを聞かせた後の脳波と、赤ちゃんと全く関係のない他人の声で名前が呼ばれた時の脳波を測定した実験では、前者の声で赤ちゃんの脳波が最も活発に反応しているという結論が導き出されました。
私が赤ちゃんを抱っこしている時でも、優しく語りかけたり、鼻歌を歌ったりする事で、赤ちゃんも落ち着いた表情を見せるのは事実です。
しかしながら、やはりお母さんが抱っこする時の方が、完全にリラックスして、すぐに泣き止み安心した表情を見せたり、赤ちゃんが自分の母親をしっかりと認識できていることが日々実感できます。
少し悲しいですが、赤ちゃんの凄さを実感できる瞬間でもあります。
ですので、赤ちゃんが寝ている時以外は、ながらスマホで赤ちゃんを抱っこするのではなく、100%の意識を赤ちゃんに向け、コミュニケーションを取り、赤ちゃんの情緒の発達を意識した声かけを実践することは非常に重要です。
3. 抱っこしながら赤ちゃんの姿勢やその他を確認する
赤ちゃんを抱っこしていると、意識があやすことばかりに向けられてしまい、知らないうちに赤ちゃんの姿勢が不安定になったり、赤ちゃんの洋服が折れ曲り不快感を与えるようになっていたりしている場合が多々あります。
赤ちゃんの身体は、頭が大きく、胴長で、手足が短くなっていて、関節等非常に柔らかいです。そのため、赤ちゃんの手足が、洋服やズボンのなかに引っ込んでしまい、怪我に繋がることもあります。
ですので、なるべく手足が出る簡単な衣服を着させて、意識や目線を赤ちゃんに向けて、身体全体を観察することが重要です。
4. まとめ
何事も初めのうちは分からないことが多く、不安でいっぱいです。
Youtubeや書籍等で色々な抱っこの仕方について学ぶなかで、初めて赤ちゃんを家に連れて帰り、グズる赤ちゃんに色々試してみましたが、中々すぐに泣き止んでくれないことの方がほとんどでした。
”Learning By Doing (やりながら学ぶ)”という言葉があるように、まさに、我が子にあった抱っこの仕方を普段の子育てを通して試行錯誤することが重要です。
赤ちゃんによって抱っこの好みは様々ですが、①赤ちゃんの表情をよく観察し、②コミュニケーションを大切にして、③俯瞰的に赤ちゃん全体を見渡して分析することで、赤ちゃんとのアタッチメント形成や安全性に繋がるはずです。